格安スマホどこがいい?~2
しかし、MVNOは、回線を貸している側のキャリアからすれば、自分たちがせっかく投資して築いたサービス網を横取りされるようなもので、メリットがないように思えるが…。
「確かに一見するとメリットがないように感じますが、携帯通信のインフラは先行投資が重要。今、主流のLTE(第4世代)や次世代の通信網である5Gのように通信業界の流動は激しいので、切り替えを頻繁に行っていかなければなりません。引き終わった回線網をMVNOに貸し出して得た利益を、新規回線の投資に回すわけです。そのためMVNOにユーザーが流れていくのも、多少は仕方ないと考えているのでしょう」
● MVNOの意外なデメリット 通信品質に注意!
回線を借り、自社保有の店舗などの設備がないからこそ、リーズナブルな料金でサービスを提供できるMVNO。なにかデメリットはないのだろうか?
「落とし穴があるとすれば、通信品質ですね。自前の基地局があるキャリアに比べ、借り物の回線を使用しているMVNOは通信品質が下がることもあります。例えるなら、MVNOは大きなビルに入っている小さなテナントのようなもの。ビル本体よりもテナントの電力は後回しになるし、ユーザーが増えすぎてしまうと、それぞれに行き渡る量が少なくなって、通話、通信品質にはどうしても波が出てしまいます」
そのため、人によっては通信速度が遅いと感じる場合もあるという。通信速度にこだわる人にはおすすめできない。その他にも、格安スマホを利用する際の注意点はあるのだろうか。
「店舗がほとんどないため、サポートが対面ではなく、基本的にネットでの対応になる点を考えると、ある程度スマホやネットに関する知識がある人が使ったほうがいいでしょうね。あとキャリアメールやau WALLETなどのキャリア決済が使えなくなるのが、意外と不便という声も聞きます」
さらに格安スマホ市場に出回る端末は、いい機種、ダメな機種の見極めが詳しい人でないと難しいという面もあるようだ。購入の際は事前に端末やプランについてある程度、調べたほうがいいだろう。